稲船さんがデッドライジング2について語る。
1 名前: やまじちゃん(長屋)[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 15:41:12.61 ID:UaXn5EzQ0 [1/3]
■『デッドライジング』誕生秘話

──ゾンビが登場するカプコンのタイトルとしては『バイオハザード』シリーズが有名ですが、あえてXbox 360『デッドライジング』を作ろうと思った理由はなんでしょう?

理由はいろいろとありますが、まず僕自身が昔からゾンビ映画が好きだったということですね。
ゾンビ映画はカプコンに入る前から好きで、ずっとハマっていたんです。
そういったこともあって、いつかゾンビのゲームを作りたいなという気持ちがあったんですよ。

『バイオハザード』はゾンビが出てくるので、昔から僕もすごく好きなシリーズだったんです。
いつも、三上さんが作っていたのを見て楽しみにしていたんですよ。
ところがですね……マルチ展開をした『バイオハザード4』で、ゾンビが走っちゃったんですよ(笑)。
三上、何してんねん、何で走んねんと(笑)。こんなんゾンビやない、自分が作ると(笑)。


もちろん『バイオハザード4』は、ゲームとしてすごくおもしろいんです。“ゲーム”の出来としては98点ぐらい。さすが! といえる作品を作ったと思っているんですよ。
でも“ゾンビゲーム”として見ると、0点です(苦笑)。

『バイオハザード』シリーズで走るゾンビを登場させるくらいだったら、いっそタイトルを変えて作ったほうがいいと思うんです。
『バイオハザード』のゾンビはそれまで走らなかったのが怖さだったわけですから、ここで急に切り替えてしまうのはどうなのと。

名前も“ゾンビ”ではなくなっていましたし、今後のシリーズでも遅い動きのゾンビが出てこなそうなので、カプコンとしても悲しい。
『デッドライジング』の制作は、そこからスタートした感じですね。作るならゾンビがよりゾンビらしく見える、ゾンビにスポットライトを当てたゲームにしようと思いました。
そのためにも、ゾンビが単なるシューティングゲームの的になってしまうのは避けようと。

全文
http://news.dengeki.com/elem/000/000/313/313728/
原文を読むと、『ロードの回数が少し多いかな』といった稲船さんの本音も書かれています。

3 名前: やまじちゃん(長屋)[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 15:41:57.22 ID:UaXn5EzQ0 [2/3]
──あちらから出されたアイデアで、稲船さんが感心したものはありますか?

そうですね……考え方という部分では、向こうは当たり前のようにレベルデザインをしてくるんですよ。
「レベルデザインを入れましょう」という提案ではなくて、入れるのが当たり前になっているんです。
たとえば建物の屋根に上れないよりは上れるほうがいいでしょうと。前作はそのへんができていなかったんです。
『CASE 0』だったら、地上から屋根の上にいる人と話したいなぁと思うような場面で、ちゃんとできるように提案してくるんです。
そういったレベルデザインが、当たり前のようにできるスタッフがそろっていたんですね。
これがカプコンでは言わないとそういうデザインにならないんですが、ブルーキャッスルゲームズではそれは当然のことだったんですよ。

まぁ、考え方の違いではあるのですが、ゲームだからこれでいい、と考える時の割り切り方が、日本のスタッフと海外のスタッフで違うんですよね。
それはたとえばキャラクターデザインの違いにも表れていますよね。
日本人が海外の作品を見た際に、このキャラクターデザインでいいの? 
と思うのと同様に、外国人が日本のキャラクターを見たら、こんな髪型や体格の人はリアルじゃないよと思っているわけですから。
でも、海外のスタッフはそう思ってはいても、表現の1つとしてリスペクトをしているんです。ちゃんと認めているんですよ。
日本だと、海外のタイトルを認めないことも多いじゃないですか。
アメリカだと日本のゲームをきちんとリスペクトするんだけれども、彼らの作品は日本のゲームを単にマネしないで個性を出してくるんです。
ここが彼らの強さじゃないかなぁ、と思っているんです。

──リスペクトする部分をちゃんと持ちながらも、自分たちの信念を貫いているんでしょうか。

そうなんですよ。海外のスタッフに「海外のゲームはいいね」と言うと、「そんなことないよ、日本のゲームだっておもしろいよ」と言うんです。
じゃあ、その人がそういった日本のゲームばっかり買っているかというとそんなことはなくて、そのいいと言ったタイトルは10番目ぐらいにいい、という意味だったりするんです。
全体的にそんな感じなので、海外ではトップ10になかなか日本のゲームが入ってこないんですよね。

10 名前: やまじちゃん(長屋)[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 15:43:26.51 ID:UaXn5EzQ0 [3/3]
──前作の日本語版は、海外版とは異なりゾンビの部位欠損表現がありませんでした。今回は海外版と同様の表現にした理由は?

実は、日本版は一部内容を変える準備もしていたんですが、いろいろと社内で頑張ってくれて、海外版と同様の内容にできました。
変えてしまうと、日本のユーザーさんにがっかりされてしまうので、その点は本当によかったですね。

──バイオレンス表現について、稲船さんはどのようにお考えですか?

そうですね……本質がわかればいいんだと思うんです。
普通は首が飛んだら気持ち悪い、そう考えるのですが、じゃあなんのために首が飛んでいるのか、首が飛ぶことにどんな意味があるのか、という点が明確でないといけないのかなと。

首が飛んだり身体欠損があることが海外のゲームだと思っている人がいるんですけど、単に首が飛ぶ表現があったって、それだけじゃ当然売れないですよ。
グロテスクな表現やゴア表現を入れればいいというものではないでしょう。
そういった部分がわかれば、日本人も海外のゲームに親しみを持てるんじゃないですかね。

稲船氏 「『バイオ4』でゾンビが走っちゃったでしょ(笑)三上何してんねん(笑)なら俺が作るわと」
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/news/1288075272/


【洋鯨亭 第32回】『デッドライジング2』プロデューサー・稲船氏インタビュー
http://news.dengeki.com/elem/000/000/313/313728/